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馬場亮輔さん

  • 留学先教育機関:The University of Sydney
  • 留学時期:2019年10月29日~2020年1月20日(3ヶ月)
  • 現在のご職業・勤務先:株式会社日立製作所
  • 利用された留学エージェント/プログラム:トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム
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現在どのようなお仕事をされていますか?

日立はIT、OT (Operation Technology)、Productのすべて自社で開発し、それらを組み合わせてソリューションを提案できる世界でもユニークな企業です。事業分野はIT、エネルギー、インダストリー、ライフ、モビリティの5領域で、幅広い社会インフラをカバーしています。

この強みを最大限に活かして、より付加価値の高い社会インフラをはじめとするデジタルソリューションをグローバルに提供することで、社会価値、環境価値、経済価値を向上させ、人々のQoLの向上、顧客企業価値の向上をめざすのが、日立の社会イノベーション事業(Social Innovation Business)です。

その中で私は新規事業開発コンサルタントとして、それらの活動を加速させるための戦略立案・事業開発を行っています。チーム一人ひとりがビジネスのノウハウに精通し、お客様と日立グループそして社外の事業者をつなぎ、長期的な視点に立ったビジネス推進のもと、グローバルに社会イノベーション事業を牽引しています。

留学を決めた理由・目的は?

私は将来、「人々の生活の質を維持しつつ、環境負荷を減らす社会システムの構築」に世界規模で携わりたく、その夢を実現するためにシドニーに留学しました。

①シドニー大学へ留学し、研究を行う:現地で世界トップレベルの教授の指導を受けながら研究を行うことで、専門知識・研究スキルの向上、自身の研究の発展につなげる。さらに、環境経済学分野の研究成果が社会システムに実装される事例を、様々な分野の教授や活動家へのヒアリングやフィールドワークを通して直接学ぶことで、社会課題を解決するための実用的な思考を得る。

②多様な人種が住むオーストラリアにおいて、どのように意思決定が行われているかを探る:文化や価値観によって行政や市民活動のシステムは異なるため、多様な人種が住むシドニーでは、公共的な政策においてどのような意思決定プロセスがとられており、意形成がなされているかを学ぶ。

オーストラリアを選んだ理由は?

私は環境問題に関心があり、「人々の生活の質を維持しつつ、環境負荷を減らす社会システムの構築」に世界規模で携わりたい。そのためには様々な文化・価値観を理解し、その地域に最適かつ効果的な方策を提案する必要がある。

また、オーストラリアは多国籍国家であり、その多様性がうまく混ざった文化、社会システムを形成している。そのため、オーストラリアに留学して、様々な国の文化、価値観に触れながら「すべての人にとってacceptableな社会システムをどのように構築していくか」について考えたいと思った。

教育機関を選んだ理由は?

今回指導を希望したManfred Lenzen 教授は、環境経済学の分野において世界的に著名であり、研究のみならず企業や自治体にも専門知識を用いたアドバイスを行っている。

また、同分野で世界的に実績のある日本国立環境研究所の南斉規介(Keisuke Nansai)氏も、同時期にシドニー大学で研究を行っていた。そのため、この2人の教授に指導を受け、専門知識・研究スキルの向上、自身の研究の発展につなげたいと考えた。

また、シドニー大学には大勢の留学生が在籍していることから、現地の学生(特に修士、博士課程)との交流の中で、自身の国際感覚を養いたいと考えた。

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留学で学んだことをお聞かせください。

George Street を走るトラム事業計画の担当者の方にヒアリングを行った。トラム事業を計画する際、事業を進めるかどうかの判断の主権は住民にあった。そのため、業者は住民に賛同してもらえるように住民へのヒアリング等を通して事業計画を完成させていき、理解を深めてもらうために事業計画を丁寧に説明する。全員にとってacceptableな社会システムを作ること、それは研究結果や客観的データをベースにするだけではなく、現場を観察し、最も賛同を得られ且つ効果的な施策を考案することが重要であると学んだ。

また、多様性文化の中に身を置いたことで(日本は単一民族国家)、様々な意見を自分の常識を基準にして正しい/正しくないで判断するのではなく、その価値観/思想に至ったバックグラウンドを理解しようとする姿勢が身に着いた。

この姿勢のおかげで、自分自身も日本人ではあるが「日本人らしさ」に捉われることなく、自分の思想や価値観を発信していこうと思えるようになった。

留学経験が現在のお仕事にどう活きていると感じますか?

たった一人でオーストラリアに行ったため、知り合いが誰一人いないところから生活がスタートした。

最初の1週間は慣れない環境に加えて友達もおらず、すごく寂しい思いをした。だから留学生活を楽しむために、とにかく自分からフットワーク軽く行動するようにした。例えば、留学生の交流イベントを探して参加したり、ラボで一緒の部屋になった人をランチに誘ってみたり。

そのおかげで友達もたくさん増えたし、色々な新しいことにチャレンジできる機会を持てた。社会人になった今は、この経験を活かして、自分の所属部署以外の人に積極的にコンタクトを取ったり、自分で社内イベントを開いたりと、自分の好奇心や目標に向けて自主的に行動を起こしている。

将来やりたい事に留学経験はどう活かすことができると思いますか?

留学を実現するためには、自分ですべてのことをmanageしなければならない。例えば、留学のプランを作ったり、複数の教授に受け入れ依頼のメールを送ったり、飛行機を予約したり、宿泊先を探したり。うまくいったと思っても、すぐに想定外のアクシデントが起こって、本当に大変だった。

留学を通して、不確実な環境の中で、手探りながらでも自分で行動を起こしていく癖が身に着いた。これからの未来も不確実だし、自分の将来の夢がかなう保証もない。そんな環境の中でも、自分が自分の足で前に進めているのは、留学での経験が活きているからだと思う。

留学を考えている方へアドバイスをお願いします。

留学は自分の価値観や常識を壊して、もっと広い視野を手に入れられるチャンスだと思う。だから自分の頭の中で「留学をやる理由、やらない理由」を考えていても、留学すれば想像もしていなかった気付きや出会いがあるだろう。

だから思い切って飛び込んでみるべきだと思う。応援してくれる人はたくさんいるし、一歩踏み出すだけでいろんなチャンスとめぐり合えるはず!

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