中西朱里さん
- 留学先教育機関:Curtin University of Technology / Western Australia Institute of Technology
- 留学時期:2012 年1 月16 日-2016 年1 月15 日(1.5年)
- 現在のご職業・勤務先:Sir Charles Gairdner Hospital Registered Nurse (正看護師)
- 利用された留学エージェント/プログラム:オーストラリア留学センター

現在どのようなお仕事をされていますか?
現在オーストラリアの公立病院で働いています。
内容は、日本での看護師をイメージしてもらったら分かりやすいのですが、それに加え、日本ではDr.が行うことなども一部こちらでは看護師が行います(詳細記載は省きます)。逆に、日本でやってきた一部体位交換や患者輸送など医療業務には入らないことは、各棟にいる助手さんがすべて行ってくれます。基本的に看護師は医療行為をする事に重点を置いています。
こちらの仕事は、朝7:00-15:30、昼13:00-21:30、夜21:00-07:30で、ほぼ残業なしの時間ぴったりに終わるので、個人の時間がとりやすい所が魅力的ですね。
留学を決めた理由・目的は?
働き始めて数年、毎日仕事に追われ、好きな事をする時間もなく疲れた日々が続きました。仕事はとてもやり甲斐があったとは思いますが、自分自身が仕事のために生きているような気がしてきて、そして自分が好きで選んだ仕事だったはずが、ただの仕事(タスク)となり、生活に違和感を感じるようになったのです。
そんな時に様子を見かねた友人が、私の母に相談し、母が留学経験者と話をする機会を設定してくれたお陰で、休憩もかねて海外に出ることになりました。そんな中、ホストマザーや語学学校の先生方、友達とのかかわりを持つうちに、海外での生活に自信を持てるようになって来ました。その頃から、オーストラリアで看護師の仕事をしてみたいという思いも膨らみ、正式な留学への変更となりました。
オーストラリアを選んだ理由は?
ワーキングホリデーで行ける国で、英語圏かつ治安が良く、銃社会ではないというのが一番の理由でした。それに加え、当時のテレビ番組で「世界で一番住みやすい街パース」という特番があり、興味を持ちました。
もう一つの理由としては、オーストラリアに行くなら日本人が少ない州をと思い、スタート地点としてパースを選びました。その後色々な州を見てまわったことで、パースがいかに学生に優しい街であるかを実感し、私自身自然も好きだったため、大学のホリデー中に出来ること(観光)もふまえ、パースを選ぶことにしました。
教育機関を選んだ理由は?
これに関しては本当に偶然の出会いです。当時、友達の一人が留学エージェントを利用していて、そこに相談・用事があるということでついて行きました。
その時に、たまたま1人の担当さんの時間が空いていて、私も友達を待っているだけだったので、担当さんに誘われたこともあり、ちょっとした日常会話のつもりで席に座って話し始めたのが切っ掛けです。そのたまたまで、人生が変わってしまいました。

留学で学んだことをお聞かせください。
オーストラリアに来てから受けたカルチャーショックを含め、色々な国の学生や年齢層の方々と混ざることにより、自分が持っていた価値観や常識が、当たり前ではないということに気付きました。物事に対しての柔軟性を身に着けることができたし、自分の意見を表現することがなぜ大切なのか、という気付きにもなりました。
また、自分自身、日本が好きだと思えるようになりました。それは、とても大切な事だと思います。留学以前は「日本は便利な国」だとは思っていても、好きかと聞かれると「わからない」と答えたと思います。でも離れてみることによって、良い点や悪い点も含めての日本が見えてくる。そして、日本はいい国なんだなと思えるようになりました。
留学経験が現在のお仕事にどう活きていると感じますか?
留学以前は、無難に日々を過ごしているところがありました。ですが、留学を通して自分が知らない所へ飛び込み、知らない場所で過ごしていけたという事実が、新しい物事へ挑戦する時の支えになっていると思います。
働き始めて何年にもなりますが、今では自分から新しいポジションに挑戦し、また職場をより良くしようと、新人教育に力を入れ、スタッフと相談しながら、その都度試行錯誤を繰り返し、日々を送ってきました。その結果、自分の病棟からだけではなく、病院からの表彰を受けるまでになりました。

将来やりたい事に留学経験はどう活かすことができると思いますか?
もちろん、留学して勉強していることが将来の仕事に繋がれば、とてもラッキーな事だと思います。でも仮に自分の選択した仕事と全く関わりが無かったとしても、経験は何かを選択する時の土台となり、自信となり、力となります。
日本でも海外でも同じですが、何かを始めたり考えたりする時の選択肢は、1つでも多いほうがよいと思います。その選択肢を増やす為にも、経験は重要であり、海外留学、特にオーストラリアは、それらの経験を得る上で最適の国だと思います。多国籍、多宗教、そして異文化が入り交じる国です。
そのような環境の中で、新しい事を学びながら生活していくことにより、より物事を多様な面からとらえ、受け入れ、柔軟に対応できるスキルが身につくことと思います。
留学を考えている方へアドバイスをお願いします。
一つ伝えたいのは、私は英語が苦手でした。
日本にいるのに何故英語を勉強するんだろうと何回も思ったし、中高時代には赤点ギリギリの時もありました。英語が苦手だと、どうしても踏ん切りがつかないという気持ちはとても分かります。でも海外留学は、必ずしも勉強の結果だけを残すためにするものではない、と私は思っています。形になる何かを残せればラッキーですが、留学を通してそれ以上の物が自分の中に残せたと思いますし、皆さんの中に残るものが必ずあると思います。
経験は知識であり、思い出はこれからの人生を生きていく肥しとなります。そして、人生でつまずいた時の支えにもなります。留学を含め色々な経験をし、色々な下地を作って、自分自身の可能性を広げてください。
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